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厳しすぎる誓約は無効!?

2016/03/18

カテゴリースタッフブログ

さて、夫(妻)の浮気(不貞行為)が発覚しました。

 

その際、夫(妻)の不貞行為相手方との示談において、慰謝料の支払いを求めるのではなく、「夫(妻)と二度と会わない旨の誓約をさせる」(契約を締結する)というケースも珍しくはないかと思います。

 

こちら(被害者)にとって、慰謝料をもらうことではなく、夫(妻)が、相手方と二度と接触しない様にすることが目的なら、それも1つの方法だと思います。

 

相手方にとっても「慰謝料を支払わなくて済むこと」ですので、署名押印までのハードルが下がるという点でも良いかと思います。

 

ただし、その誓約内容が「あまりにも厳しすぎる内容」だと、せっかく契約を締結しても、無効になってしまうので注意が必要です。

 

なぜなら、民法という法律では

 

「公の秩序又は善良の風俗に反する事項を目的とする法律行為は、無効とする。」(民法第90条)としているからです。

 

いわゆる「公序良俗違反」とういやつです。

 

公序良俗違反とは「社会的妥当性を欠く」様なことを言い、ざっくり言うと「それって、あまりにも非常識ですよね?」という様なことです。

 

実際に、お客様が作った示談書(契約書)には、良くあります。

 

余談ですが、「甲乙は、本書に定める内容に従うものとし、たとえ裁判をしても判決を無効とする。」なんていう論外な条項を入れていた方もいらっしゃいました。

 

裁判が無効って・・・(汗)

 

これは極端例として、具体的にどんなものが考えられるのでしょうか?

 

実際に多い例を挙げてみました。

 

甲:被害者(妻)  

乙:不貞行為相手方(夫の浮気相手) 

丙:甲の夫

 

~省略~

乙は甲に対して、今後、丙と面会、電話、その他手段の如何を問わず一切接触しないことを誓約する。

万一、上記誓約に違反した場合は、乙は甲に対してただちに違約金として金300万円のを支払わなければならない。

 

恐らく、3万円なら全く問題にはならないでしょう。

 

しかし、不貞行為で離婚に至った場合でも、たかが300万円程度なのに、会っただの誓約違反で300万円はさすがに無茶です。

 

素直に支払ってくれれば良いのですが、恐らくそうはいかないでしょう。

 

となると、行く末は・・・

 

乙は、弁護士の先生に相談、そして弁護士事務所から甲のところに「無効」を主張する旨の内容証明が届く

 

以上、お疲れさん!

 

となるのが目に見えています。

 

こちら(被害者)としてみれば、一度不貞行為をした同じ相手と会っていて、何もないとは信じがたいでしょうし、約束は約束だ!と言いたいでしょう。

 

しかし、法律がある以上仕方ありません

 

では、どうすれば良かったのでしょう?

 

「会わない誓約」だけでなく、最初から「慰謝料をもらう」という方法がBESTだったと思いますが、それを言い出すと話が終わってしまいますので・・・。

 

こうしてみてはいかがでしょうか?

 

~省略~

乙は甲に対して、本件不貞行為にかかる慰謝料として金300万円を支払う義務があることを認めた。

 

乙は、今後、丙と面会、電話、その他手段の如何を問わず一切の接触をしないことを誓約する。

 

と書いたうえで

 

「上記誓約が守られるている間は、慰謝料の支払いを留保する(しなくてもよい)。」旨の条項を入れるのです。

 

※留保:権利・義務を、残留・保持すること。

 

簡単に言うと、乙は上記誓約を守っている限り慰謝料を支払う必要は無く誓約に違反した場合は、ただちに慰謝料の300万円を支払わなくてはならない様にしておくのです。

 

けっこう難しい文章になると思いますので、弁護士や行政書士などの専門家に依頼されることをおすすめします。

 

ご参考までに・・・。

 

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