和解後に離婚!?
2017/01/20
カテゴリースタッフブログ
最近、ちょくちょくこんな質問を受けます。
Q:「夫(妻)の不貞行為の相手方(以下、相手方と言う)と和解合意書を交わした後に、夫(妻)と離婚に至ってしまった場合は、もう一度、相手方に慰謝料をもらえるのですか?」
ちょくちょくある質問です。
A:「もらえません。」
なぜなら、通常、和解合意書には、清算条項と言って
「甲と乙は、本書に定めるほか、甲乙間に何ら債権債務が存在しないことを確認した」など
という様な文言(条項)を入れます。
もちろん、弊所が作成する和解合意書にも入っています。
なぜなら、慰謝料を支払うなどして和解が成立したにもかかわらず、後からまた金銭を請求されたりしたら、相手方にとって、全く意味のない書面になってしまうからです。
これを知っていたら、そんな書類にサインする人はいませんし、知らなくても、だまし討ちみたいなことは出来ません。
ですから、既に相手方と和解合意書w締結しているが、離婚に至ったのに見合う金額をもらっていない場合は、差額を離婚する夫(妻)に、請求することになります。
もしも、相手方に全額請求したい場合は、先に配偶者との話し合いで、離婚するのか、婚姻を継続するのかを決めて、それが決まってから、相手方に請求することをおすすめします。
もっとも一般的にはこの順番ですが・・・。
なぜ、この順番が一般的かというと、不貞行為が原因で離婚に至った場合と、離婚に至らなかった場合で、裁判上では慰謝料の金額が違います。
一般的な金額としては、前者が300万円程度、後者が100~150万円程度でしょうか・・・。
※不貞行為は共同不法行為(簡単に言うと2人で1つのわるいことをしたということ)と言って、浮気夫(妻)と相手方の合計が上記のような金額であり、一方から十分な金額(例えば離婚に至った一般的なケースで300万円)を支払ってもらっていると、他方を訴えても「もう十分に貰っている」と判断されて他方からは貰えません。
ですから、まだ離婚に至っていな段階で、夫(妻)の不貞行為相手方に300万円を請求したら、相手方から高すぎると反論されてしまったり、また、100万の慰謝料で和解し、もしも後から離婚に至ってしまったら先に書いたように、もう和解した相手方には請求できなません。
この様に、配偶者から先に決着したほうが、請求する金額が決めやすいからです。
ただ、配偶者やその不貞行為の相手方の経済状況や、その他の事情によって、一概にどちらが良いとは言えませんので、専門家に相談することをおすすめします。
ご参考までに・・・。