災い転じて高額慰謝料!?
2023/06/09
カテゴリースタッフブログ
探偵法務’s(弊所調査部門)で、妻の浮気調査を行い証拠を押さえ、「慰謝料請求と離婚」が、大成功したお客様(男性・以下「Kさん」と言います)のお話です。
浮気妻の調査だったのですが、すぐにラブホテル滞在等の証拠を押さえ、相手男性(以下「男性A」と言います。)の自宅、氏名等も判明しました。
Kさんは、すぐに弊所に書類作成等の業務を依頼され、男性Aに慰謝料請求、妻とは離婚協議を実行に移します。
※離婚協議:離婚についての夫婦間での話し合い。
この日、Kさんは、男性Aの自宅近くで、男性Aが勤務先から帰ってくるくらいの時間に待ち伏せをしていました。
待ち伏せ開始の時間からしばらくして、落ち込んだ感じでKさんから私に電話がありました。
男性Aが車で帰宅したので、Kさんが自分の車から降りて近づくと、男性Aが一目散に逃げ出してしまったと言うのです。
男性Aは、Kさんの車、あるいは、容姿を知っていたのかも知れません。
そして、Kさんが、どんな用事で来たのか、すぐに気付いたのでしょう(笑)
男性Aは、かなり驚いた様子だったそうです。
自宅を知られている以上、逃げても仕方ないと思いますが・・・。
全くバレていないと思っていたのに、不倫相手の夫が、いきなり家の前で待っていたのだから、逃げたくなる気持ちも分からなくはないですけどね(笑)
当初の作戦では、先に男性Aとの示談を済ませ、すぐに帰宅して、そのまま浮気妻との離婚協議を開催する予定でしたが、男性Aが逃亡してまったので終了!?です??
いえいえ、実はこれ、想定内です。
プランB発動です!
野田:「先に奥さんをやっつけましょう。」
Kさんは、すぐに自宅に帰り、浮気妻との離婚協議を開催しました。
Kさんは早速、浮気妻に通知書を手渡して読ませます。
※通知書:こちらの主張を相手に伝えるための文書。通常は、内容証明などで送るのが一般的だが、弊所では話し合いの際に持参するのを推奨しています。
これを読んだ浮気妻は、すんなりと協議離婚に応じたそうです。
※協議離婚:夫婦間の話し合いによって成立する離婚。
浮気妻も離婚を望んでいたことと、証拠が完璧だったこともあったのか、浮気妻はあっさり離婚協議書と離婚届にサインをしました。
意外だったのは、慰謝料の減額を求めず、請求したままの金額オーバー300万円でサインしたことでした。
しかし、問題はここからです。
実は、浮気妻から十分な金額の慰謝料を獲得してしまうと、その後に、男性Aが示談に応じなかった場合、裁判で請求しても男性Aに対する慰謝料請求は認められないのはご存じですか?
裁判での考え方をざっくり説明すると、不貞行為は2人で1つの悪いことをしたのだから、慰謝料も2人で1つなのです。
例えば、この事案が、裁判で慰謝料が300万円と判断される案件だったとしたら、浮気妻と男性Aが、300万円というサイズの容器に、どちらがどんな割合で注いでも良いけど、「コップがいっぱいになったら(合計300万円になったら)終了」といったイメージです。
しかし、示談で、合意すれば話は別なのです。
浮気妻と男性Aから獲得した金額が、少々お高くても、もらってしまえば「返せ」という話にはなりません。
そして、不貞&離婚の案件では、よほどのことが無ければ、裁判上で慰謝料が300万円を超えることはありません!
なので、男性Aが、弁護士に相談してしまったらアウトということです。
そうなれば、Kさんにとって、一番憎い男性Aから慰謝料を獲得することが出来なくなってしまいます。
つまり、男性Aから慰謝料を獲得するには、誰かに入れ知恵をされる前に、示談を成立させるしかないのです。
そこで、すぐに、もう一度、男性Aにアプローチをかけます。
浮気妻に、男性Aを呼び出してもらう作戦ですが、今回のケースは、浮気妻の協力を得るのは比較的容易でした。
男性Aが既婚者だからです。
Kさん:「今から俺は男性Aの家に行く。相手の奥さんに分かるとお前も慰謝料を請求されることになるけど、俺を恨むなよ。」
と言いつつ、男性Aに電話をかけて呼び出す様、お願い?する作戦です。
そして、浮気妻が男性Aに電話をする。
「夫が、今からそっち(家)に行くと言っている。別の場所で話をしてもらう様にお願いしたから、すぐに〇〇〇〇に来て欲しい。」と伝えてもらうのです。
男性Aもよほどのアホでなければ、ご厚意??を拒否して家に来られるのと、ご厚意??を受け入れて別の場所で話をするのとでは、自分にとってどちらがメリットが大きいかはかすぐに分かるでしょう??
Kさんと男性Aは、すぐに、あるお店の駐車場で待ち合わせをして、そこで、話し合いをしました。
こんな状況なので、話し合いというよりは、一方的な「調印式」だった様ですが・・・。
実は男性A、かなりの小心者だったらしく、家の前でKさんの姿を見て、どうして良いのか分からずパニックになり逃げだしたとのことでした。
そして、こっそり呼び出してくれたことで、妻にバレずに済んだことを感謝していたそうです。
ほとんど、こちらの都合なんですけどね・・・。